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膵がんの患者様へ、プラスアルファの最先端がん治療

膵がんの患者様へ、プラスアルファの最先端がん治療
樹状細胞ワクチン療法
アイマックスがん治療

※姉妹クリニック(セレンクリニック東京)における症例報告より

膵がんの症例報告
膵がんと診断されたときに、すでに転移(肝臓)を認めたため手術ができなかった症例です。抗がん剤治療にて一部はがんが縮小したものの、それ以上の変化がなく副作用を認めたため、抗がん剤を減らして様子をみていました。そのタイミングで樹状細胞ワクチン療法を行ったところ、画像上、膵がんの原発部位と肝転移の消失と、腫瘍マーカーの著しい低下を認めました。

黄色い円のところが、膵がんです。樹状細胞ワクチン療法終了後、画像上、がんが消失(光っている部分がなくなっています)しています。(PET-CT画像)

膵がんPET-CT

膵がんに対する免疫化学療法
樹状細胞ワクチン療法+抗がん剤

転移があり、手術が適応にならない進行した膵がんは、5年生存率が0%と極めて予後が悪い。ジェムザールやTS-1などの抗がん剤治療が期待されているが、その効果も満足できるものではない。今回、肝臓に転移があるために手術が不可能で、さらにジェムザールやTS-1を用いた化学療法(抗がん剤治療)でも満足できる治療効果がえられなかった進行した膵がんの患者様に対して、同じ抗がん剤治療(ジェムザール+TS-1 : 副作用のため減量)に、当院の姉妹クリニックの樹状細胞ワクチン療法を併用したところ、原発部ならびに肝の転位腫瘍の消失が認められた症例を紹介する。

Introduction
膵がんは消化器がんの中でもっとも予後不良である。
日本でのがんによる死因として(がん統計’02.財団法人がん研究振興財団)、男性では第1位に肺がん、2位胃がん,3位肝がん、4位大腸がん、続いて第5位に膵がんが来ており、女性では,第1位胃がん,2位大腸がん、3位肺がん、4位乳がん,5位卵巣がんに続き、第6位に膵がんがくる。
膵がんの発生率を考えると,その予後の悪さが明確であるといえる。

予後不良の原因としては,早期発見が困難であることや,周囲への浸潤や,遠隔転移を伴うケースが多いことがあげられる。
転移を有する進行膵がんは、手術によってがんを取り除くことができないため、化学療法(抗がん剤治療)が主な治療になる。しかし、切除不能(手術できない)の膵がんは5年生存率が0%(膵癌全国登録調査報告.膵臓 16 : 115~47, 2001)と極めて予後不良である。
肝転移を有し、手術の適応がなく、化学療法でも満足いく効果が得られなかった進行膵がんの患者様に対して、同じ抗がん剤治療に人工抗原を用いた樹状細胞ワクチン療法を併用することにより、PET-CTにおいて、原発部ならびに肝転移巣において明らかながん組織が検出できなくなり、腫瘍マーカーも正常化した症例を報告する。

Case
60歳代、男性。
診断名 : 膵がん、肝転移(T4N0M1)ステージⅣ
既往歴 : 特記事項なし。家族歴:特記事項なし。
現病歴 : 上記診断のため手術適応なく、2007年4月~ ジェムザール(1400mg;1日目と8日目)+TS-1(2週投与1週休薬)による化学療法を2コース施行した。その評価は、原発(膵臓)の腫瘍のみ「少しだけ縮小した」(マイナーレスポンス)というものであった。

2007年6月~ 当院の姉妹クリニックにおいて、上記化学療法(ジェムザール+TS-1;副作用のため減量して使用)に加え、人工抗原を用いた樹状細胞ワクチン療法を併用することにした。
同年6月~10月の間に、人工抗原樹状細胞ワクチン療法1クール(7回)施行。さらに、患者様の希望により、2クール目を2007年12月~2008年5月に施行し、8回樹状細胞ワクチンの投与を行った。
2008年5月にPET-CTを施行したところ、膵臓ならびに肝臓においても明らかな腫瘍の存在は認められなくなり、他に新たな病変も認めなかった。
治療前に、3269 U/mlであった腫瘍マーカー(CA19-9)は、治療後は27.5U/mlと著しく低下し、基準値以下となった。樹状細胞ワクチン療法による重篤な副作用は認められなかった。
この後、外来にて経過観察し、必要であれば、6ヵ月後を目安に、本樹状細胞ワクチン療法の効果を維持するための追加投与を行う予定である。

Discussion
人工抗原樹状細胞ワクチン療法とは?
がん細胞は正常細胞にはない特徴的な印(がん抗原)を持っている。
人工抗原樹状細胞ワクチン療法とは人工的に合成したがん抗原(人工抗原)を試験管内で樹状細胞にパルス(取り込ませること)して、それをワクチンとして患者様に皮内投与する治療法である。
投与された樹状細胞は、がん抗原をリンパ球(主にTリンパ球 : がんを攻撃する兵隊)に教え込み、がんの印を教えられたリンパ球は、全身を廻り、がん組織を見つけて攻撃するのである。
過去の世界中からの報告、我々の経験も含めて、重篤な副作用が起きることはごく稀であり、安全な医療といわれている。

最近、抗がん剤と免疫療法との併用について学会等でも議論されているが、特にジェムザールやTS-1は免疫療法と非常に相性の良い抗がん剤であるといわれている。
低用量の抗がん剤治療(メトロノーム化学療法)は、重篤な副作用がなく、免疫力を下げずに、がんに栄養を与える「腫瘍血管」を攻撃して、がんを「兵糧攻め」にしたり、悪玉免疫(制御性T細胞等)を抑えたりすることにより、がんを攻撃する免疫(抗腫瘍免疫)を上げて、樹状細胞が働きやすい環境を作ることが報告されている。

今回の抗がん剤治療は「メトロノーム化学療法」の範疇には入らないとも考えられるが、結果として、減量した抗がん剤治療と樹状細胞ワクチン療法の併用で、極めて悪性度が高いと言われている転移を伴う膵がんに対して著効が認められた症例である。
本症例では、まず標準的なジェムザール+TS-1の化学療法が施行され、マイナーレスポンス(原発部のわずかな縮小)の評価であった。その後は副作用のために抗がん剤の量を減らさざるを得なかったが、この時に樹状細胞ワクチン療法を合わせることにより著明な治療効果が得られたわけであり、両者の相乗効果であることが強く示唆される結果となった。

まとめ
樹状細胞ワクチン療法と比較的低用量のジェムザール+TS-1の併用療法が、肝臓に転移を伴い切除不能の進行した膵がんに対して、安全で治療効果の高い治療法であることが強く示唆された。


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