卵巣がんの患者様へ、プラスアルファの最先端がん治療
アイマックスがん治療
卵巣がんの症例報告
全身に転移(肺、骨、リンパ節、腹膜)し、手術不能な卵巣がん患者様に対して、標準的な化学療法に加えてアイマックスがん治療(放射線+樹状細胞ワクチン療法)を実施することにより、画像上、がんの消失を認めました。
青い円で囲まれて光っているところところが、全身に転移した卵巣がんです。治療後の画像では、明らかに光の部分(がんの部分)が消失しています。(PET-CT画像)

Introduction
卵巣がんは、病巣が大きくなるまで無症状のまま進行しやすく, 発見された時には既に進行がん(III、IV期)になっている場合が多い。進行卵巣がんは、転移が広範囲におよぶため、当然手術によって完全に切除することはできない。したがって手術により可能な限りがんを取り除いた後、化学療法を行なうことになる。また、開腹してもほとんど切除出来ない場合も多い。このような場合は、化学療法によりがんを小さくした後、手術によりがんを切除するという方法がとられる。
卵巣がんの化学療法としては、タキサン系およびプラチナ系抗がん剤を用いた方法が主流であり、特にタキソール+カルボプラチン(TJ)療法が第一選択として施行され、その効果は高く評価されている。しかし、多発性に転移を伴い、極めて進行した症例においては、やはりその奏効率は低下してしまう。当院の姉妹クリニックでは、発見された時、既に腹膜播種、さらに肺、骨、リンパ節に多発転移を伴い、根治的手術が不可能であった進行卵巣がんの患者様に対して、標準的な化学療法であるTJ療法に加えて定位的放射線照射+樹状細胞ワクチン療法を併用する事によって、PET-CTで術前に認められた全てのがんの転移が消失した(PET上完全治癒した)症例を経験したので報告する。
Case
女性。既往歴、家族歴 : 特記事項なし。
診断名 : 卵巣がん術後、腹膜播種、多発リンパ節転移、多発肺転移、骨転移
2006年7月 卵巣がんを指摘され、さらに精査したところ、上記診断を下された。
2006年8月 手術(原発巣の減量手術、生検術)
2006年9月~ 術後、TJ療法を開始。
2006年10月~ 残存原発腫瘍に定位的照射
照射終了後より、樹状細胞局所投与を1回/月、3回施行
2007年3月撮影のPET-CTにて、樹状細胞の局所投与部位のみならず、術前に認められた全てのがん転移病変が消失していた。
副作用は局注部位の疼痛のみで、消炎鎮痛剤でコントロール可能であった。
同治療法が、進行卵巣がんにおいて、安全かつ有効な治療法となる可能性が強く示唆された。
Discussion
卵巣がんにおいて、TJ療法は非常に有効な標準的化学療法である。
しかし、多発転移を伴った極めて進行した症例では、その奏効率も低下する。
本症例では、TJ療法の効果をさらに向上させるために、局所樹状細胞ワクチン療法を併用した。
がんに直接樹状細胞を注入し、がんに対する免疫反応を惹起させる同療法は、生体内で、がん組織に特異的な細胞障害性T細胞(CTL)を誘導し、治療効果を得ようとするがん治療である。
がん組織に注入された樹状細胞はがん細胞を貪食した後、近傍のリンパ節へ移動し、T細胞に抗原を提示する。T細胞はこれを認識し、CD8+T細胞はCTLに、CD4+T細胞はヘルパーT(Th)細胞に分化しがん組織を構成する細胞の拒絶に働く。
一世代前にがん免疫療法の主流であった非特異的免疫療法(BRM療法、サイトカイン療法、活性化リンパ球療法など)と樹状細胞ワクチン療法との大きな違いは、樹状細胞によりがん組織に特異的ながん関連抗原を提示されたT細胞は、(1)認識した抗原特異的に殺細胞作用を発現する事、(2)全身に波及し遠隔部位の腫瘍にも効果を及ぼす事、(3)さらに重要なことは自己がん組織に含まれる患者様特有のがん関連抗原を記憶したT細胞による免疫学的監視機構により再発・後発転移の予防効果が期待できる事である。
今回のケースも樹状細胞ワクチン療法を併用したことにより、この再発予防効果が期待できる。
近年、抗がん剤が抑制性免疫反応(主として制御性T細胞:悪玉免疫細胞)を抑える事により、相対的に抗がん免疫を増強する可能性が示唆されている。
今回の症例でも、TJ療法により、この様な悪玉免疫細胞が抑えられ、樹状細胞が効果を発揮しやすい環境が作られた可能性が高い。
さらに、当院では、樹状細胞が効率良くがん細胞を取り込める様にするために、樹状細胞投与直前に低侵襲のピンポイント放射線照射(定位的照射)を行なっている。これも、樹状細胞が効率良く働ける環境を作るために極めて重要であると考えられる。
以上のように、化学+放射線+免疫療法は、極めて有益な併用療法であると考えられる。
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